ピアニスト!

 ここ2年ほど、mp3プレーヤに入れて持ち歩いているのは、今さらわねばならない曲か、やってみたい曲か、やりたい曲を探す為の曲ばっかりだったりします。譜読みが死ぬほど遅いので、音取りを兼ねて聴いているわけです(暴露しすぎ)。
 わたしはこの3年間ちょっと、レッスンにオペラアリアを持っていったことは殆どありません。片手の数も無いような気がします。カンタータなど器楽伴奏モノは別として、試験では歌曲ばかり。歌を探すときは大抵、歌曲。
 そして、歌曲は、9割以上、ピアノと歌で構成されています。
 歌曲においては、歌い手が素晴らしいことも重要ですが、いわゆる芸術歌曲と呼ばれる分野は――ドイツ歌曲もフランス歌曲もスペイン歌曲もロシア歌曲も――ピアニストが、とてもとてもとても重要なんです。
 わたしはピアニストに大変恵まれている方ですが、うまそうだと思ったらすかさずナンパをしなければならないという点は、結構心理的に難儀なことです。上手い人は忙しいし、うまいだけに頼みにくい(→自分が下手だから)。でも一緒にやって貰うと自分の演奏の欠点をまるまるカヴァーしてくれたり、雰囲気を引き出しまくってくれたり、しちゃうんですねこれが……(ありがとうY!!)
――閑話休題。
 ここ数ヶ月聴いているラフマニノフの歌曲集、これ、アシュケナージが伴奏なんですが……これがもう夢見るように素晴らしいんですよ! まぁなにしろラフマだからそもそも美しいわけですが……うーん、ソロピアニストとしてだけではなく、アンサンブル、本当に素晴らしいです。だから指揮者になったのかなぁ……そういえば昔、アシュケナージ+アルゲリッチでショパンのピアコンかなんかを聴いたような気がする。ピアノを聴いたのはいつのことだろ……歌曲も含め、室内楽のコンサートやらないのかなぁ……聴きたい!
 ちなみにこちらも数ヶ月聴いているシェーンベルクの歌曲集、ピアノはグレン・グールド。これもやはり素晴らしいのですが……録音のバランスのせいなのか、ピアノがやたら強くて……これはグールドのせいなのか、録音技師のせいなのか、なんなのかなぁ。
 あとはやはりハルトムート・ヘル先生のドイツものは欠かせません。コンラート・リヒター先生も本当にすごいっす。「成程! そういう曲だったんですかー!」と開眼させられた経験多数。やはり巨匠の言うことには絶大なる説得力がある! 目の前で弾かれるとあまりにレベルが高くて血が沸騰してしまいます。(落ち着け)
 歌い手より先に音楽を始めるのは大抵ピアニストですので、ピアニストの責務は重大です。頑張れ!ピアニスト!!(そういうオチ…?)
ちなみに。
わたしが好きなピアニストはグルダです。ナマで聴けなくて本当に残念です。もうちょっと早く産まれたかった……