チャイコフスキーの歌曲

今度の試験ではチャイコフスキーを歌おうと思っている。
とは言ってもまだ先生にも言っていないので、また一波乱有るのは間違いない。でも、私の中ではかなり固い、決意とも似た感情がココロを占めている。
わたしとチャイコフスキーの出会いはおそらく小学校時代、バレエ音楽としてであったように思う。いつのまにかピアコンの1番は知っていたし、親の影響でクラシック音楽漬けな幼少期だったので、正確にいつからチャイコを知っていたかについては定かでないが、とにかく、チャイコフスキーをそれと認識したのはバレエであったろう。バレエをやめてからも、チャイコを聴くとなんとなく体が動いてしまう……バレエをかじった人なら多くの人が同意してくれるのではないだろうか。チャイコは本当に、なんでこんなに分かってらっしゃるのだろうと思えるほど踊りだしたくなる音楽を書いて下さった。
しかし、彼が100曲を越える歌曲を書いているということは最近まで知らなかった。一昨年、単身渡ったベルギーの講習会で、ロシア人の美人歌手がラフマニノフの歌曲をそれはそれは美しく歌っているのを聴いたのが、ロシア歌曲との初めての遭遇だった。
わたしとロシア語の出会いは、……いったいいつだろう? これもよく思い出せないが、世の中にロシア語があると知ったのは随分幼いときだったと思う。もう亡くなった大叔父がたいそう変わり者で、ドストエフスキーの師匠、ネクラーソフの研究者だったのである。私が小さい頃、英語が出来ない!と騒いでいたら「なんで英語なんかが出来ないの」と言われた、らしい。覚えていないが。そりゃあロシア語に比べれば簡単でしょうねぇ……
そんなわけでロシア語という言語はずっと私の中でひっかかっていたのだった。そして、去年の秋。ロシア語を習いだした。難しいし全然分からないけど、なんだかもう楽しい。というより、嬉しい。
大学入学前からドイツリートをやっていて、1年の期末試験はブラームス。2年の期末試験もドイツリートにするつもりが、自然とドヴォルザークにいきつき、今年はチャイコフスキー。自分の中では流れとして全く破綻がないのだが、どこが終着駅なのか、どこに腰を据えるべきなのか心配ではある。でもロシアまで来てしまったのには色々な因果を感じる。チェコ語をやりたいとか言っていた時期もあったけれど、今のモチベーションはやっぱりロシアかな。ドイツは、もちろん、バッハという作曲家が居る限り去ることは出来ないのですが……それにもちろん、ドイツとロシアは歴史的に切っても切れない縁にありますし。
インターネットで調べてもロシア歌曲はなかなかイイページが少ないし、勉強ついでに作るのもいいかなぁと夢想している三が日でした。