技巧の凄まじさ。呼吸も忘れる、グルヴェローヴァの狂乱の女王。 [カノレコ #02]

 エディタ・グルヴェローヴァ(Edita Gruberova)。
 彼女の名前を知らないオペラ・ファン、いやクラシック・ファンはいないだろうと思える程に有名な、コロラトゥーラの超絶技巧を誇るソプラノ歌手。なんと御年は還暦を過ぎている。

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歌劇《ロベルト・デヴリュー》

グルベローヴァ(エディタ)
シャギドゥーリン(アルベルト)
バイエルン国立歌劇場合唱団

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 先月、バイエルン国立歌劇場が引っ越し公演した「ロベルト・デヴェリュー」。グルヴェローヴァが演じたのは、イギリス女王。愛人の若い貴族ロベルト・デヴェリュー、そのふたりを取り巻く人間劇。
 なんといっても見所はラストの狂乱の女王のシーン。オペラでも歌舞伎でも「狂乱の場」は見所なものですが、かつてこれほど誇り高いロールで、かつ完璧な狂乱の場があっただろうか。・・・と敢えて反語表現をとってしまうほどの、鬼気迫る、舞台だった。
 ・・・別になにかのオフィシャルライブレポじゃあるまいし、ちょーラフに書きましょうか。クラシック業界イチラフなオペラレポ。
 1幕第一声からして、相変わらずの、圧倒的な、ピンと張り詰めた、コントロールしつくされた、あの響き。輝き。ギリギリまで引っ張られて、一瞬でもたるんだら全部が壊れるような、あの緊張感。あれがたまらなくて、そしてあれを聴くたびにグルヴェローヴァすげぇと思う、死にそうになる快楽。そんな緊張感を聴いてる者に強いられるのが、コロラトゥーラの女王と言われる所以。「若い頃より音程が悪くなったねー」とかいう評をよく見ますけど、彼女の「今の歌」にとってはホントどうでもいいことです。
クラシック敬遠しているアナタにこそ、「生きているウチに1度で良いから聴いてください!お願い!!」って手を合わせるレベルの、(ここで敢えて言いますが)世界最高の歌い手です。まぢです。音楽というものを捉える世界が変わると思う。録音じゃ全然ダメなんだよやっぱ。
 そして今回のイギリス女王役は、今まで聴いたどの役よりも・・・いやー、これぞ白眉。という出来でした。あの超絶技巧に加え、女王という役柄、風格、そして緊張感。年を重ねることで死に近づいている、そんな人間の鬼気迫る様を、一体、この先彼女以上に表現できる歌い手なんているんだろうか?
 今の時代に産まれて良かった、今この時の彼女の歌を聴くことができて本当に良かった・・・そんな舞台でした。

もし機会があれば、必ず聴いてください。ナマじゃないとダメって言ったばっかだけど、録音も素晴らしいです。私のオススメはコレ(オペラじゃないけど)。

献呈~R.シュトラウス:歌曲集 赤いバラ/献身/なにも/他 献呈~R.シュトラウス:歌曲集 赤いバラ/献身/なにも/他

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2001-02-21
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 聴いてください。そして、私とその感動を共有しましょう。

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というわけで今回のレポはクラシック畑でお送りしましたー。公演自体は10月1日に聴きに行ったから、1ヶ月以上経ってしまいましたが・・・感動冷めやらず。ラストのアリアの衝撃は未だに鮮明に目の前で見ているかのよう。旋律は忘れたけど(笑)
というわけで、ラフにいっちゃった2回目ですが、3回目はまたクラシックから離れ、4回目はまたクラシック・・・と、交互な感じで進んでいきたいと思います。
お付き合い頂ければ幸いです!ではでは。

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